● 二重の利を取る商いは長続きしない





こんばんは。島村信仁です。




心学商売繁盛塾の「心学」とは、石田梅岩の商いに関する教えです。



石田梅岩





その中にこのような言葉があります。




「二重の利を取り、甘き毒を喰ひ、自死するようなこと多かるべし」





これは、商いをする上で、二重の利を得るようなことは甘い毒のようなもので長続きはせずに、自分で自分の首を絞めていることに繋がって商いが続かない・・・という風に考えられるでしょうか?




二重の利とはどういうことか?




例えば、ビルのとある場所を普段使わないから、無料でいいよ~と大家さんが貸してくれたとします。




事務所として貸してくれるのであれば、本来払うべき賃料をまけてくれたという感覚ですよね。



自分の仕事場所として使う分にはいいと思います。好意をありがたくうければいいのですから。



ただ、この場所をお金を取って人に貸し出すとなると話は違ってくると思うのです。



二重の利を得ることになりますよね?



本来であれば、借りている賃料を大家さんに支払わなければいけないものが無料になっている。



その無料のスペースをお金を取ってお客様に貸す・・・



これ、明らかに二重の利です。



こういう商いをやっていると長続きしません。間違いなく。



商品の仕入れでも同じことが言えます。



普段よりも何かしらの理由で仕入れ値が安くなった。もしくは安くするように言った。


そしていつもの仕入れ値より安く仕入れることが出来たとします。


この段階で利益を得ていますよね?普段より安いのですから。


それを売る時にいつもと同じ価格で販売していたら、いつも以上に利益を得ることになり二重の利を得ることになります。



お取引先に安くしてよ!と自分のほうが強い立場であったり、会社関係であったりを理由にすることってあります。



安くしないとお宅とは取引をしないよ・・・という話も聞くこともあります。



そうやって得た利益をお客様に還元せずに普段と変わらない値段で素知らぬ顔をして売る。



こういう商いは長続きしません。



二重の利を得るような商売、あなたはしていませんか?大丈夫ですか?



商いは儲けを出さなくてはいけないし、儲けなくてはいけないものですが、こういう商いのやり方は長続きしないのです。



● 6月26日(月) 心学商売繁盛塾の読書会を実施します