● のれんを見れば店主の心もわかる



こんばんは。島村信仁です。



お店の入り口に掲げてある「のれん」ってご存知でしょうか?



こういうものですね。こちらは羊羹で有名なとらやののれんになります。


とらや のれん


のれんって、何かと言いますと、お店の出入り口に掛けてある屋号などを染め抜いた布のことを言います。


この「のれん」というのは、アメリカはもちろんヨーロッパ、アジアのほかの国々でも決して見ることは出来ない日本独自の文化になります。


「のれん」の歴史をさかのぼってみると色々な説がありますが、一説には縄文時代までさかのぼると言われています。


家の入り口や窓に、外からの雨風やほこりやチリといったものから防ぐ目的で始まったと言われています。


もともとのれんの言葉の由来は、漢字にすると「暖簾」となります。暖をとる簾(すだれ)という意味です。


文字通り暖をとるので、防寒目的でした。


現代と同じようにお店に掛けられるようになったのは室町時代頃。


のれんに字を入れるようになったのは、識字率が高まった江戸時代からと言われています。


こののれん、私は、商いをする商人と一緒に仕事をさせてもらうようになって気づいた事があります。


それは、こののれんは商人の心を映す鏡であるということ。


例えば、のれんが逆にかけられている。ボロボロになっている。風で傾いているのにそのまま・・・


のれんに気が回らない。のれんがきちんとしていないお店は、儲かればいいとかお客様のことを考えていない人が多いです。


のれんはただお店の前にぶら下がっている、単なる布切れではないのです。


のれんを上げる
 → これは、商売を始めることを言います。

のれん分け → これは、修業を積んで親方から店を出してもいいぞ!と一人前として認められ商いをすることを言います。

のれんが古い → これは、歴史のあるお店のことを言います。老舗ですね。

のれんに傷をつける、のれんが泣いている → 商いで信用のない行為をしてしまうこと。

しっかりしたのれん → 信用のあるお店のこと。

のれんを下ろす → これは上げると逆の意味だからお店をやめることを言います。


のれんってこのような言葉がたくさんあることからもわかるように商いにとって大事なもの。


そこで商売をしている商人の心、魂を表しているものだと思うのです。


私個人的には、のれんがかかっていないお店よりは、やっぱりのれんをかけているお店が好きです。


心が見えるんですよ。


のれんがきちんとしているお店はお取引先への支払いが良かったりします。


たかがのれん、されどのれんなのです。


良いお店かそうでないお店なのか?を見分けるときに、私はのれんをまず見ます。(なければしょうがないですが(笑))


食べログやぐるなびなどで、美味しいと評判のお店でも星☆がついているようなお店でも、まずはのれんを見る。


そうすれば、口コミや星☆のような権威に騙されずに物事の本質が見抜けると私は思っているからです。


あなたのお店ののれん、きちんと目を配って心を配っていますか?


毎日の商いで上げたり下げたりしているのですから、きちんとやっているかどうか?


単なる作業になってしまっていないかどうか?自分の心を確認しましょう。


これから、のれんをくぐってお店に入る時も、邪魔くせえなあと偉そうに入るのではなく、店主の気持ちがこもったものですからありがたく頂戴して入店したいものです。


私たちのような小さなお店、小さな会社は「のれん」に心を込めて商いをしていこうではありませんか。


のり一


↑ ここのラーメン屋さん、お酒を飲んだ後の〆の一杯にメチャクチャおすすめですよ(笑)



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